【未解決】 ShaderのOffset値とは何なのか

前置き

ShaderにはOffsetという値があります。 それについて調べたけど、詳細は分からなかった、という記事です。すいません。。

本題

shaderのOffsetとは、座標はそのままで、カメラ深度に対してoffsetをかける、というもののようです。

z-fightingを何とかしたりするのに使われたりします。 ch.nicovideo.jp

何となくは分かったので、詳しい仕様を見て行きたいと思います。 docs.unity3d.com

デプスオフセットを二つのパラメータ, factor および units ,で指定できるようにします。 Factor は,ポリゴンのXあるいはYに関連して,最大のZ勾配をスケールし,unitsは最小のデプスバッファ値をスケールします。例えば,Offset 0, –1 により,ポリゴンの勾配を無視してポリゴンをカメラに近づけ,一方で Offset –1, –1 はさらに見上げる角度でポリゴンを近づけます。

読んでも何なのか良く分かりません。

サンプルを作って試してみます。

まずshader。

SurfaceShaderにOffset調整用のパラメーターを足しただけのものです。

Shader "Custom/NewSurfaceShader"
{
    Properties
    {
        _Color ("Color", Color) = (1,1,1,1)
        _MainTex ("Albedo (RGB)", 2D) = "white" {}
        _Glossiness ("Smoothness", Range(0,1)) = 0.5
        _Metallic ("Metallic", Range(0,1)) = 0.0

        // ココ追加
        _zOffsetFactor("zOffsetFactor", Float) = 0
        _zOffsetUnits("zOffsetUnits", Float) = 0        
    }
    SubShader
    {
        Tags { "RenderType"="Opaque" }
        LOD 200

        // ココ追加
        Offset  [_zOffsetFactor] , [_zOffsetUnits]

        CGPROGRAM
        // Physically based Standard lighting model, and enable shadows on all light types
        #pragma surface surf Standard fullforwardshadows

        // Use shader model 3.0 target, to get nicer looking lighting
        #pragma target 3.0

        sampler2D _MainTex;

        struct Input
        {
            float2 uv_MainTex;
        };

        half _Glossiness;
        half _Metallic;
        fixed4 _Color;

        // Add instancing support for this shader. You need to check 'Enable Instancing' on materials that use the shader.
        // See https://docs.unity3d.com/Manual/GPUInstancing.html for more information about instancing.
        // #pragma instancing_options assumeuniformscaling
        UNITY_INSTANCING_BUFFER_START(Props)
            // put more per-instance properties here
        UNITY_INSTANCING_BUFFER_END(Props)

        void surf (Input IN, inout SurfaceOutputStandard o)
        {
            // Albedo comes from a texture tinted by color
            fixed4 c = tex2D (_MainTex, IN.uv_MainTex) * _Color;
            o.Albedo = c.rgb;
            // Metallic and smoothness come from slider variables
            o.Metallic = _Metallic;
            o.Smoothness = _Glossiness;
            o.Alpha = c.a;
        }
        ENDCG
    }
    FallBack "Diffuse"
}

sphereに対してこのshaderを適用します。適用したsphereは、planeの後ろに置きます。

f:id:ssr_maguro:20191223163011g:plain

で、propertyの_zOffsetFactorを変化させてみる。 すると、planeの後ろで見えなかったshpereがだんだんplaneを突き破って見えてきます。 マイナスの方向に大きくすると、カメラに近づいたような効果があります。

で、どういう仕様で動いているのか。depth値をどうこうしてるのか。細かく制御するために、調べてみます。

depth値を表示してみます。 表示方法についてはこちら。 nn-hokuson.hatenablog.com

f:id:ssr_maguro:20191223164759g:plain

何だか良くわからないgif動画になってますが、上側がScene Viewで、offsetを変更するとplaneを突き抜けてsphereが表示されています。 下側がGame Viewで、depth値を表示しています。

offsetを使っても、depth値に変化は見られません。 なのでdepth bufferの書き込み値を変化せさせている訳では無いようです。

だから下のURLのギルティギアのキャラの重なり制御で使われたものとは違うみたい。 例として、depth bufferが変化しているのが出てきますからね。 www.4gamer.net

z-testする時の判断材料として使われている?

フォーラムでunityの中の人が回答しているものを見付けました。 https://forum.unity.com/threads/offset-parameters.23281/

glPolygonOffsetのドキュメントに詳細が書いてある、との事。 www.khronos.org

When GL_POLYGON_OFFSET_FILL is enabled, each fragment's depth value will be offset after it is interpolated from the depth values of the appropriate vertices. The value of the offset is factor × DZ + r × units , where DZ is a measurement of the change in depth relative to the screen area of the polygon, and r is the smallest value that is guaranteed to produce a resolvable offset for a given implementation. The offset is added before the depth test is performed and before the value is written into the depth buffer. glPolygonOffset is useful for rendering hidden-line images, for applying decals to surfaces, and for rendering solids with highlighted edges.

日本語訳

GL_POLYGON_OFFSET_FILLが有効な場合、各フラグメントの深度値は、適切な頂点の深度値から補間された後にオフセットされます。 オフセットの値はfactor×DZ + r×unitsです。ここで、DZは多角形の画面領域に対する深さの変化の測定値であり、rは特定の解決可能なオフセットを生成することが保証される最小値です。 実装。 深度テストが実行され、値が深度バッファに書き込まれる前に、オフセットが追加されます。 glPolygonOffsetは、隠線画像のレンダリング、表面へのデカールの適用、および強調表示されたエッジを持つソリッドのレンダリングに役立ちます。

中の人のComment

「DZは、ポリゴンの画面領域に対する深さの変化の測定値です。」私はこれが何を意味するのか正確には知りませんが、画面の位置に関する奥行きの派生物のように聞こえます。

中の人も完全には分かっていない?

glPolygonOffsetについて、もう少し調べてみます。 www.glprogramming.com

気になる文を見つけました。

大きな疑問は、「オフセットはどれだけで十分ですか?」です。

そうそう、ココです。適切なオフセットの求め方を知りたかったんです。

残念ながら、必要なオフセットは、各ポリゴンの深さの傾きやワイヤフレームの線の幅など、さまざまな要因に依存します。

OpenGLはポリゴンの深度勾配(図6-5を参照)を計算しますが、factorに適切な値を選択するために、深度勾配が何であるかを理解することが重要です。深さ勾配は、ポリゴンを横断するときのz(深さ)値の変化をxまたはy座標の変化で割ったものです。深さの値は、範囲[0、1]に固定されたウィンドウ座標です。ポリゴンの最大深度勾配(オフセット式のm)を推定するには、次の式を使用します。f:id:ssr_maguro:20191223171605g:plain

うーん、難しいですね。。ここで力尽きました。 また何か分かったら追記していきます。